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高杉晋作関連作品※管理人が観たもの読んだものから順に掲載してゆきます。

小説
「世に棲む日日」司馬遼太郎 全4巻
前半は吉田松陰が主人公。安政の大獄で松蔭が死去してからは高杉晋作が主人公となる。登場人物の狂気と苦悩が、読み手にひしひしと伝わってくるような作品です。司馬遼太郎作品によく見られがちな脱線が多いのですが、その分豊富なエピソードがかえって人物の魅力を引き立たせる結果となった秀作です。
「高杉晋作」池宮彰一郎 上下巻
俗説を排除したという池宮彰一郎作の「高杉晋作」。確かに格好よすぎる晋作の逸話群には眉唾ものもあるとは思うが、それを本当にしたんじゃないかと思わせるのが高杉晋作という人であり、幕末という狂った時代であったのも確かと。とはいえ望東尼との恋愛説は俗説を排除というわりにはと思いますが、意外と説得力があります。
「花神」司馬遼太郎 上中下巻
村田蔵六こと大村益次郎の話。ほんの少しだけ高杉晋作が登場します。接点が少なかったこの二人だが、晋作が臨終の際、奇兵隊を誰に仰げはよろしいかと聞いたところ、「大村を仰げ」と言ったそうです。「世に棲む日日」が革命家達の話なら、こちらは学者達の話という感じです。晋作の葬儀の様子が書かれている数少ない作品です。
「十一番目の志士」 司馬遼太郎 上下巻
天堂晋助という架空の暗殺者を主人公にした、司馬作品には珍しいフィクション。晋作はその天堂晋助に、道を与え暗殺者にした黒幕として書かれています。長州には有名な暗殺者がいないということで創作された天堂晋助の活躍は、他の司馬作品とは全く違った世界です。
「幕末」 司馬遼太郎
幕末の暗殺を題材にした短編集です。高杉晋作は、「死んでも死なぬ」と「浪華城焼討」に登場します。いずれも主人公ではありませんが、重要な役どころでとても格好良く書かれています。特に「死んでも死なぬ」では、長州攘夷派の首領としての存在感を、読むものに見せつけてくれます。他の作品も秀作が多くおすすめの作品です。
ドラマ
日本テレビ年末時代劇スペシャル「奇兵隊」
このシリーズは5作ほど幕末を舞台にした作品を制作しているが、高杉晋作が登場するのはこの「奇兵隊」のみです。主役の松平健は高杉晋作にしては健康的すぎますが、一番適役と思ったのが椋梨藤太(長門裕之)と周布政之助(津川雅彦)です。兄弟してバッチリ適役ですね。さだまさしの主題歌「冬の蝉」が泣かせます。
NHK大河ドラマ「龍馬伝」
福山雅治主演の大河ドラマです。もちろんのように男前の福山龍馬ですが、高杉晋作を伊勢谷友介が演じて大変話題になりました。伊勢谷友介が高杉晋作を演じたおかげで、晋作の女性ファンが増えたことでしょうし、高杉晋作を演じたおかげで、伊勢谷友介も俳優としてワンランク上にあがったといえます。
NHK大河ドラマ「花燃ゆ」
吉田松陰の妹を主人公とした大河ドラマ。作品自体はお世辞にも良いものとは言いがたいものですが、高杉晋作役の高良健吾は、病的であり狂的であり、高杉晋作役にぴったりでした。残念ながら活躍するべき場面に主人公の文がしゃしゃり出ることが多く、その活躍が制限されてますが、それでもなお存在感を示すことが出来たのは、放送後に「花燃ゆ」キャスト中で唯一TVの露出が増えたのは、高良健吾のみたったことからも伺えます。ちなみに上記「龍馬伝」で晋作を演じた伊勢谷は、この作品で吉田松陰を演じています。
映画
「長州ファイブ」 五十嵐匠監督作品
前半の英国公使館焼き討ち事件に、寺島進の高杉晋作が登場します。20代前半の晋作を演じるには無理があるかもですが、存在感でカバーしています。生きた機械となる事を目標に渡英し、国力の差を見せ付けられた5人が、その技術を吸収し帰国して役立てようとがむしゃらに勉強します。伊藤俊輔役の三浦アキフミはほんとに適役です。
「幕末太陽傳」 川島雄三監督作品
フランキー堺主演の古典落語をベースにした喜劇映画です。石原裕次郎が高杉晋作として登場します。若き大スター石原裕次郎の涼やかな笑顔と口調は、若く元気であった幕末初期の晋作の雰囲気にマッチしています。落語本筋の流れと史実の英国公使館焼き討ち事件が気持ちよく絡まって、日本映画史上最高傑作の一つといわれるだけの見ごたえがあります。
「狼煙は上海に揚る」 稲垣浩/岳楓監督作品
戦中の作品で戦火で失われたと思われていたもの。ロシアに後半部分のみ現存することが確認されました。戦意高揚を煽るプロパガンダ映画ではありますが、晋作役の坂東妻三郎や上海のスター梅薫の名演で、娯楽作品としても楽しめるものになっています。どちらかというと鬼畜米英を訴えるより、アジア人の団結を訴えていますので、現代にも通じる部分がなきにしもあらずです。
漫画
「お〜い!竜馬」 小山ゆう
幕末史の入門漫画として人気があり、この漫画から実際の幕末史に興味を持った方々も多くいます。竜馬が晋作と上海に行ったりと、フィクションも多くありますが、大筋の流れは史実通りです。高杉晋作も多く登場します。「あずみ」もそうですが、小山ゆうの殺人描写は結構残酷で、それが作品にリアリティを追加させています。
「百花春風抄」 朔田浩美 花の章/風の章
花の章・風の章共に5話構成で、高杉晋作を巡る人々のお話をオムニパス形式にまとめてます。花の章は、晋作と5人の女の恋物語ですが、読んだあと涼やかな風が吹くような風流な気分に満たしてくれます。変わって風の章は、晋作と6人の男たちのお話。それぞれの男たちの苦悩と生き様を描いています。細かい描写に作者の晋作への愛が見えるようです。
「AZUMI」 小山ゆう
江戸時代初期の暗殺者あずみを主人公にした漫画「あずみ」の続編で、幕末を舞台としています。「お〜い!竜馬」のクロスオーバー作品となっており、「お〜い!竜馬」で登場したキャラクターも多く登場します。高杉晋作も同様に登場し、物語の一場面において重要な役どころとして、主人公と出会います。
SIDOOH/士道」 高橋ツトム
刺客の雪村兄弟が、幕末の動乱をたくましく生きる様子を描いた漫画。高杉晋作は敵役として登場しますが、もみ上げが長く、顔は長くない「レボリューションの歌」を三味線で奏でる破天荒な晋作は、誇張はされてはいますが、主役を飲み込むような存在感で描かれています。


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